10月の定例会では、当NPOの西村公志理事の紹介で、株式会社デジライズ取締役の堤雄三様を講師に迎え、「最新の生成AIトレンドとビジネスAI活用方法7選」と題した講演を開催しました。


堤様は、AI専業企業であるデジライズ社にて、法人向けのGPT導入支援やリスキリング支援を手がけており、これまでに35,000名以上のAI活用を支援してきた実績を持ちます。講演では、生成AIの最新動向から、企業が直面する課題、そして具体的な活用方法まで、幅広くかつ実践的な内容が紹介されました。
特に印象的だったのは、世界のトップ企業における生成AIの活用率が92%に達している一方で、日本の上場企業ではわずか10%にとどまっているという現状です。堤様はこのギャップの背景にある「人材不足」や「知見の欠如」を指摘し、中小企業こそAIを積極的に取り入れるべきだと強調されました。


講演では、ChatGPTやCopilotをはじめとするAIツールを活用した業務改善の具体例が多数紹介されました。メール作成、議事録の自動生成、営業資料の高速作成、契約書のチェック、営業ロールプレイの支援など、すぐにでも導入可能な方法がわかりやすく解説され、参加者からは「すぐに試してみたい」との声も多く聞かれました。
また、企業がAI活用を進める上での注意点として、「シャドーAI」の問題にも触れられました。これは、会社が公式にAIツールを提供していないため、社員が個人の判断で無許可にAIを利用してしまう状況を指します。堤様は、情報漏洩やコンプライアンス違反などのリスクを避けるためにも、企業としてAI活用のルールを整備し、安全かつ効果的に運用することの重要性を強調されました。


最後に、AIはあくまで「人にしかできない仕事」を補完するものであり、人と人との信頼関係を築く業務は今後も人間が担うべきであるというメッセージが印象的でした。生成AIを正しく理解し、業務に取り入れることで、企業の生産性向上と競争力強化につながることを改めて実感する講演となりました。