6月の定例会は、柳副理事長の企画で、アポロ印刷株式会社(https://www.apollo-p.com/)の取締役営業部長 濱中慎一様に事例「印刷業者の生き残り策」というテーマでご講演いただきました。
濱中様は株式会社吉野家の公認プリンティングディレクターでもあります。
構造不況業界の印刷業界にあって、アポロ印刷様は生き残り策を探ってもがいてきましたが、アイディアを出し合っていくつかのネタを事業にしてきた会社です。
今回その生き残り策の一つを紹介していただきました。
アポロ印刷様は、1964年創業 従業員 9名 売上高6億円で、一人あたり売上高は印刷業界平均の3倍以上の6000万円の会社です。
アポロ印刷様の事業は決して順風満帆だったわけではなかったそうです。
濱中様が入社した1997年には売上高約4億円あったものの、デジタル化、ペーパーレス化、アマゾン等ネットビジネスの台頭、印刷物の小ロット化等経営環境の変化により、
2003年には売上高が約1億円に激減したそうです。
経営を改善する打つ手が見当たらなく、あらゆる経費削減を行っても焼け石に水、
自社ビルの売却、移転まで余儀なくされたそうです。
倒産寸前の状況のそんな時に、社長から「お客様の役に立ってこい」、「困ったときのアポロ印刷になれ」と指示を受けたそうです。
最初は「役にたつってどうしたらよいのか?」と戸惑ったそうですが、「役に立つためには相談してもらわないといけない。」ということに気づき、お客様の無理難題に対して一切断らず、何とか対応、解決していくことで、信頼を得て、印刷に限らずいろいろな相談を受けるようになったそうです。
その中で、アットマーニ(https://www.apollo-p.com/atmani/)や
ポスペタ(https://www.apollo-p.com/pospeta/)という製品を開発していったそうです。
濱中様は「業界を元気にしたい」という強い意志をお持ちで、これからも活動されるそうです。また、株式会社MAN-NAKAという会社を今年立ち上げ、ビジネスコーディネータを行っていく予定だそうです。
最後にこの日定例会にご参加いただいたアポロ印刷の飯島社長からもご挨拶をいただきました。
その後会員との質疑応答も活発に行われ、懇親会でもいろいろなお話をしていただきました。
中小企業診断士の我々が、印刷会社等いわゆる元気のない業界の会社から相談を受けることがあってもなかなか解決策を提案するのが難しいのですが、今回の講演を参考に活動していこうと思います。