7月の定例会では、NPO法人ACOBA顧問であり、当NPOの元会員でもある関本征四郎様を講師にお迎えし、「地域ビジネスを支える力 ― コミュニティビジネスの本質と社会課題解決への実践」をテーマにご講演いただきました。

講演では、関本様が定年後にコミュニティビジネスと出会い、講座受講をきっかけに研究会活動やNPO設立へと活動を広げていった経験が紹介されました。また、 中小企業診断協会東京支部(現東京都中小企業診断士協会)でのコミュニティビジネス研究会の立ち上げや、『コミュニティビジネス成功事例集』の出版など、長年にわたる実践についてもお話しいただきました。

コミュニティビジネスとは、市民が主体となって地域課題をビジネスの手法で解決する取り組みです。不登校やひきこもり、高齢化、外国人住民の増加、地域コミュニティの担い手不足など、複雑化する社会課題に対し、地域住民やNPO、企業、行政が連携して取り組むことの重要性が説明されました。また、活動を継続するためには、事業収入や委託事業、補助金・助成金、寄付などを組み合わせた持続可能な運営が必要であることも紹介されました。

さらに、中央区との関わりとして、区の商工観光課と連携して実施したコミュニティビジネス講座やシンポジウムについて紹介がありました。多くの区民や事業者が参加し、地域課題の解決や新たな活動の創出につながる機会となったほか、地域医療や子ども支援の事例も取り上げられ、地域課題から新たな事業や活動が生まれる可能性について学びました。

後半では、NPO法人ACOBA(http://www.acoba.jp/)が取り組む休眠預金活用事業について詳しい説明がありました。休眠預金を活用した社会課題解決事業は全国規模で展開されており、ACOBAは資金分配団体として、助成金による資金支援だけでなく、実行団体に対する経営支援やガバナンス整備、事業計画の見直しなどの伴走支援を行っています。PM(プロジェクトマネジャー)やPO(プログラムオフィサー)が中心となり、地域団体の成長と自立を支援する仕組みは全国的にも高く評価されているとのことでした。

また、ACOBAが支援する実行団体の事例として、若者の自己肯定感と多様な生き方を育むプログラム、子ども食堂や学習支援、子どもたちの居場所づくり、認知症高齢者の孤立防止、多世代交流の拠点となるカフェ運営など、さまざまな地域活動が紹介されました。いずれも地域に根差した取り組みであり、社会課題の解決と地域コミュニティの活性化を両立する実践例として大変参考になるものでした。

今回の講演を通じて、関本様には豊富な実践経験に基づく貴重なお話をいただき、地域課題を「誰かが解決するもの」と考えるのではなく、一人ひとりが主体的に関わり、多様な人々や組織が連携しながら解決していくことの大切さを学ぶことができました。
